心に余白を求める大人へ つながりの居場所
心に余白を求める人たちへ
冨内あかねさんが長年勤めた総務職を辞めたのは、心の奥に静かに灯った「このままでいいのか」という問いがきっかけでした。 同僚の突然の死——それは日常の歯車の中で見失いかけていた「生きること」「働くこと」の意味を見つめ直す契機となりました。 「私にとって働くってなんやったんやろう」。そう自問したとき、胸の奥にあったもやもやが明確な違和感に変わり、立ち止まる決意をしたのだといいます。 退職後、心理学を学び、動画編集やデザインに挑戦。新しいスキルを手にしながら、彼女の人生は少しずつ「やるべきこと」から「やりたいこと」へとシフトしていきました。
安心が生むつながりの意味
「ただ動画を作る人ではなく、その人の想いを形にする人でありたい」。 動画編集者として活動を始めた冨内さんは、次第に「クライアントの言葉にならない想い」を感じ取る重要性に気づきます。 そんな中で出会ったのが、問いの書かれたカードを使うコーチング。自分がそうだったように「自分の気持ちを言葉にできない方に、安心して話してもらえる場をつくりたい」と、セッションを始めました。 カードを通して人が心を開いていく瞬間。そこには、冨内さん自身が心理学を学ぶ中で得た「安心して人とつながりたい」という想いが重なっていました。 「不安なまま人と関わるんじゃなくて、安心してつながれる関係の中でこそ、本当に新しいことが生まれると思うんです」。
「話せること」が生む癒しと希望
冨内さんの根底にあるのは、「言える=癒える」という信念です。 否定される心配なく、自分の本音を話せる場所があれば、人は自然と前に進める。 「たった五人、本音で話せる仲間がいると、人生の幸福度はぐっと上がるんですよ」。 そう語る声には確信が宿っています。だからこそ、彼女のコミュニティづくりは“居場所づくり”にとどまりません。 「安心して話せる」「共感し合える」「癒される」——そんな対話の文化を広げることが彼女のライフミッションです。 現在は地元・兵庫県加古川市で心のケアブランドと協働し、リアルな場所づくりにも挑戦中。 いずれは「昼はCafé、夜は毒舌ママがいるBAR」のような、世代を超えて人が集える場所をつくることを夢見ています。
仲間と共に育てる未来へ
「私は戦略とか計画は得意じゃないけど、人とつながるのは得意なんです」。 そう笑う冨内さんは、今後は経営面で支えてくれる仲間と出会いながら、自分のビジョンを形にしていきたいと語ります。 AIにも関心を持ち、「人と心の関係をより豊かにするツールとして活かしたい」と目を輝かせます。 彼女にとって、成長とは「去年の自分より少しでも誰かの役に立てること」。 「自分が面白いと思えているか」「誰かのためになるかどうか」という軸を手放さず、冨内さんはこれからも“安心してつながれる世界”を一つずつ築いていきます。 彼女の穏やかな語り口の裏には、確かな信念と、誰よりも人を信じる強さがありました。