からだの声に耳を澄ませた先に見えたもの
西宮でフェムケアサロンを営む藤倉あかねさんは、女性の心と体に静かに寄り添いながら、「幸せな女性をたくさん増やしたい」と語ります。
フェムケアという言葉は、まだ多くの人にとって聞き慣れないものかもしれません。けれど藤倉さんにとってそれは、単なる美容やケアの技術ではありません。心、体、そして魂までも満たされるような、自分自身を取り戻すための入り口です。
「フェムケアをもっと広めていくことは、幸せな女性を増やしていくことなんです」
その言葉には、ご自身の人生が大きく変わった実感が込められています。10年前にフェムケアと出会った藤倉さんは、当時、自分に何が起きているのか分からないほどの変化を経験しました。乾燥していた肌が変わり、体の小さな不調が整い、そして何より、心が少しずつ軽くなっていったのです。
美容を超えて、心まで変わっていった10年
もともと藤倉さんは美容が好きで、長年ネイリストとして活動し、ネイルサロンも営んでいました。美しさに関わる仕事は、藤倉さんにとって自然な選択でした。けれどフェムケアとの出会いは、これまでの美容の枠を超えるものでした。
「これは女性として幸せになる、最速最短のツールだなって感じたんです。しかも簡単に、楽に」
フェムケアは、藤倉さんの肌や体調だけでなく、自己肯定感にも大きな変化をもたらしました。出産後に感じていた悩みがいつの間にか改善していたこと。女性特有の不調に対しても可能性を感じたこと。そして何より、自分を大切にしているという感覚が、体から先に心へ届いていったこと。
藤倉さんは、自転車の乗り方にたとえて話します。どれだけ頭で学んでも、自転車は体で覚えなければ乗れるようになりません。フェムケアも同じように、体が先に反応し、その感覚が心を変えていくのだといいます。
かつて心療内科に通うほど苦しかった時期もありました。それでも、無理に頑張るのではなく、体を大切に扱うことから変化が始まりました。気づけば「自分大好き」と思えるようになり、男性への拒絶感も大きく変わっていったそうです。
自分を大切にすることが、家族と世界を照らしていく
藤倉さんがフェムケアに見出している価値は、個人の美容や健康にとどまりません。自分を大切にできる女性が増えれば、パートナーシップが変わり、夫婦関係が変わり、子どもたちの幸せにもつながっていく。そんな大きな循環を見つめています。
「お母さんが幸せだったら、子どもとか家族が幸せなんです。幸せな家庭がたくさん増えることが、地域の幸せや平和にもつながる。私はこれが世界平和につながっているって思っているんです」
一見すると大きな言葉に聞こえるかもしれません。けれど藤倉さんの語りには、日々お客様の体と心に触れてきた人ならではの実感があります。女性が自分の体を後回しにせず、恥ずかしさや思い込みを少しずつほどいていく。その先に、自分を受け入れる力が生まれる。自分を受け入れられる人は、他者との関係もやわらかく変えていけるのです。
藤倉さんの関心は、神社仏閣や神話の世界にも深くつながっています。神戸の氏神様をはじめ、伊勢や高千穂など、直感で惹かれる場所へ足を運ぶことも大切にしています。
「女性はみんな、自分の中に神様のお宮を持っているんです」
子宮の「宮」という字に、藤倉さんは女性の神聖さを重ねます。体をケアすることは、ただ外側を整えることではなく、自分の内側にある尊厳を思い出すこと。そうした感覚が、藤倉さんのフェムケア観の根にあります。
全国へ、幸せの種を届けるために
現在、藤倉さんはサロンでのケアだけでなく、全国でフェムケアのセミナーも行っています。目指しているのは、日本全国にフェムケアを広めること。そして、心も体も満たされた女性を増やしていくことです。
お客様として多いのは40代、50代以降の女性ですが、藤倉さんは「本当は若い子にも知ってほしい」と話します。妊活やパートナーシップ、自己肯定感に悩む人にも、フェムケアは大きな支えになる可能性があるからです。最近では、結婚相談所とのつながりにも関心を持っています。恋愛や結婚がうまく進まない背景に、心のブロックや自信のなさがあると感じているからです。
藤倉さんには、もう一つの夢があります。全国でフェムケアのセミナーをしながら、その土地の神社を巡ること。次に訪れたい場所として挙げたのは、長野県の戸隠神社です。神話の物語に惹かれ、古くから続く祈りの場に足を運びたいと目を輝かせます。
変えが効かない、たった一つの自分の体を大切にすることは、自分の人生を大切にすることです。藤倉さんの歩みは、そのシンプルで深い真実を教えてくれます。
忙しさの中で、自分の声を聞き流してしまうことは誰にでもあります。だからこそ、まずは小さなケアから始めてみる。自分を責めるのではなく、自分に触れ、自分をいたわる。その一歩が、心を変え、人との関係を変え、未来の日本の景色を変えていくのかもしれません。
