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吉田高章さんが築き上げる「第二のキャリア」と人生の再構築

吉田高章さんが築き上げる「第二のキャリア」と人生の再構築

変化を恐れず歩き出す、大人たちへ

兵庫県西宮市。最寄り駅からわずか徒歩1分のビルの4階に、吉田高章さんの事務所はある。 かつて30年にわたりガラスメーカーで営業マンとして全国を飛び回ってきた彼が、今は「通勤時間1分」という穏やかな日々を過ごしている。 長いサラリーマン人生を経て行政書士として独立したのは、わずか4年前のことだった。

「定年を迎えてからじゃ遅いと思ったんです。50代前半で助走をつけておけば、60になっても動ける。」 そう語る声には、自身の人生を“再構築”する覚悟が滲む。コンプライアンスの厳格化を目の当たりにし、行政書士の資格取得を決意。 「管理職全員がビジネス実務検定を取れと言われて、あまりに簡単で物足りなかった。どうせなら一番上まで取ってみようと思ったんです。」 挑戦は、軽い興味から始まり、やがて人生を変える選択となった。

“再出発”に込められた働く誇り

独立後の吉田さんは、建設業界を中心に許認可業務を手掛けながら、ISOの審査員資格を取得した。 「品質(ISO9001)と環境(ISO14001)の2つです。これからは環境がどんどん重要になる。CO₂の排出取引も始まりますしね。」 その言葉の通り、時代の流れを先読みする冷静な視点がある。

行政書士という仕事は“単発業務が多く、継続的な収入になりにくい”という課題を抱える。 だからこそ、審査員としての委託業務で安定した基盤を築きながら、クライアントのISO取得支援に並走するという新たな形を模索した。 「建設業界では、ISOを持っていると公共工事の入札で評価が上がる。つまり、利益率の高い仕事に繋がるんです。」 業界を熟知した吉田さんだからこそ描ける戦略。 彼の挑戦は、単なる資格取得ではなく、顧客の未来を見据えた“仕組みづくり”そのものだった。

「誰もやらないなら、やってみる」──挑戦の原動力

吉田さんの魅力は、何事にも“まずやってみる”姿勢にある。 「やったことがない仕事でも、頭ごなしには断らない。学びながらやる。」 そう語る姿勢には、長年の営業経験で培われた柔軟さと誠実さが感じられる。

実際、建設業の許認可だけでなく、産業廃棄物収集運搬や外国人ビザ、補助金申請などにも対応してきた。 「補助金は正直、労力と時間がすごくかかるんですよ。でも頼まれたらやる。」 そう笑う吉田さんの姿からは、“信頼される専門家”としての誇りが滲む。

さらに、彼の強みは「足を運ぶ」ことだ。 「事務所に来てもらうより、自分が行く方が早いです。」 デジタル全盛の時代にあっても、顔を合わせることを何より大切にする。その温度感こそが、吉田さんの真骨頂なのだ。

人生を重ねるほど「働く」は深くなる

仕事だけでなく、プライベートにも“再構築”の兆しがある。 娘さんの大学進学を機に、夫婦二人の生活が始まる。 「これからは不動産投資も考えています。今の家を賃貸に出したり、別の物件を買ったり。リスク分散ですね。」 株式投資から実物資産へ。人生のフェーズに合わせて、関心の軸も変化していく。

一方で、趣味の世界では“本物を長く使う”という美学を貫く。 「30年前に買った10万円の革靴を、今も履いています。手入れさえすれば30年履ける。年間3,000円の靴ですよ。」 ビジネスシューズを「一生もの」として愛用し続ける姿は、まるで自身の人生観そのもののようだ。 「靴を見れば、その人がわかる。だから足元は大事にしています。」 彼の言葉には、積み重ねを大切にする職人のような誠実さが宿る。

これからの吉田さんは、行政書士として、ISO審査員として、そして一人の“人生の探求者”として、静かに新しい章を歩み始めている。 「ISOをやってる許認可に強い行政書士がいたな、ってどこかで思い出してもらえればいい。」 その穏やかな言葉の裏にあるのは、誰よりも強い意志と、戦略的に描かれた未来への確かな希望だった。