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会社の魅力を信じて育てる人たちへ

児玉典貴さんの原点には、「好きなことから応募してみる」という、まっすぐな決断がありました。

もともとは栄養士の資格を持ち、料理の道へ進もうとしていた児玉さん。しかし、それは「本当に自分がしたいこと」ではありませんでした。親の勧めで進んだ道に立ちながら、理想と現実の違い、自分の肌に合わない感覚を抱えていたといいます。

そんな中で心に残っていたのが、昔から好きだったテレビの存在でした。「人生一度きりなので、したいことをしたいなと思って応募したんです」。その言葉には、迷いながらも自分の本音に向き合った人だけが持つ強さがあります。

小学校4年生から打ち込んだバスケットボールも、同じように児玉さんを形づくってきました。考えることが多く、集中すると頭がすっきりする。好きなものを追求する姿勢は、今の映像制作にも確かにつながっています。

選ばれる会社に本音が必要な理由

テレビ業界に飛び込んだ児玉さんは、報道の現場でカメラマンとして経験を重ねていきました。ニュース番組の現場は、決められた時間に間に合わせるため、常にスピードが求められます。予定通りにいかない状況の中で、何を見て、何を切り取るのか。その判断を一瞬で迫られる日々でした。

印象に残っている出来事として、児玉さんは熊本地震の現場を挙げます。熊本城が崩れた姿、倒れた家屋、被災された方々の表情。普段はなかなか目にすることのない現実に、カメラを向けなければならない仕事でした。

事件や事故、火災の現場にも足を運びました。そこには、誰かの日常が突然変わってしまう瞬間がありました。報道カメラマンとしての経験は、決して華やかなものばかりではありません。むしろ、痛みや緊張感を伴う場面の連続だったはずです。

けれど、その経験が児玉さんのまなざしを鍛えていきました。表面的な言葉ではなく、その奥にある本音を感じ取る力。現場で培われた「リアルを見抜く感覚」が、今の児玉さんの仕事の大きな土台になっています。

企業の魅力は、つくられた言葉ではなく本音に宿る

現在、児玉さんは「採用動画パートナー」として活動しています。採用動画を単なる会社紹介ではなく、企業と求職者のミスマッチを減らすための大切な接点として捉えています。

今は、企業が人を選ぶだけの時代ではありません。企業もまた、求職者から選ばれる存在です。だからこそ、社長の理念や社員の声、職場の空気感を丁寧に伝えることが必要になります。児玉さんは、求職者が安心して応募できる環境を動画で整えていきたいと考えています。

報道の現場で数多くのリアルに触れてきた児玉さんだからこそ、つくられた言葉や表面的な表現には敏感です。「嘘をついていることがすぐ分かっちゃう」。その感覚は、相手を疑うためではなく、本当の魅力を引き出すためにあります。

企業の魅力は、きれいに整えられた言葉だけでは伝わりません。社長がなぜその事業を始めたのか。社員がどんな思いで働いているのか。会社が大切にしている価値観は何か。そうした本音が映像に宿ったとき、求職者の心に届くものになります。

児玉さんが目指しているのは、単なる制作担当者ではありません。「制作側じゃなくて、プロデュースできる。社長さん方の本音を引き出して、そこに寄り添えるような感じでしていきたい」。その言葉には、映像をつくる人ではなく、企業の未来に伴走するパートナーでありたいという思いが込められています。

採用動画から、企業文化を伝える時代へ

児玉さんがこれから出会いたいのは、自分の事業を愛し、会社をしっかり育てていきたいと願う経営者です。強い思いを持つ人ほど、その魅力は言葉にしきれないことがあります。だからこそ、児玉さんはカメラを向け、対話を重ね、その人自身も気づいていない価値を映像として形にしていきます。

採用動画は、単に人を集めるための道具ではありません。会社の信頼度を高め、働く人とこれから出会う人をつなぐ入り口です。そこに映る本音が誠実であればあるほど、企業は「選ばれる理由」を持つことができます。

自分に合わない道から、本当に好きな世界へ踏み出した児玉さん。報道の現場でリアルを見つめ続けた経験は、今、企業の本質を伝える力へと変わっています。

本音を隠さず、誠実に伝えること。それは採用だけでなく、私たちが仕事や人生で信頼を築くためにも大切な姿勢です。児玉さんの歩みは、好きなことを追いかけた先に、人の未来を照らす仕事が待っていることを教えてくれます。