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変化に迷う人へ──好奇心という源を見出す

門田友葵さんが見出す「好奇心が導く循環する生き方」

変化を恐れず歩み続けるあなたへ

都会の風が吹く大阪の街で、門田友葵さんは“電気の使い方”をデザインするエンジニアとして日々働いています。一方で、休日は土に触れ、畑で育つナスの成長に心を躍らせ、オーケストラではシンバルを豪快に奏でる。そんな多彩な彼女の話を聞くほどに、“人の内側で静かに燃え続ける好奇心”という言葉が浮かびます。

最初に彼女が語った印象的な言葉がありました。「スーパーで野菜は買わなくなったけど、代わりに土と肥料を買ってるやんって思ったんですよ」。一見些細な気づきですが、そこには現代の効率や便利さに対する、微弱な“違和感”が潜んでいました。この違和感こそが、門田さんが次々と新しい挑戦へ向かっていく原動力になっているのです。

変化に迷うとき、好奇心が示す循環

行動のきっかけを尋ねると、門田さんはいつも少し照れくさそうに笑います。「深いこと考えずに、面白そうと思ったらバーッと動いちゃうんです」と。

畑を始めた理由も、実は一本の本との出会いでした。『里山資本主義』を読み、「作ることと使うことが近い世界って心地いい」と直感した彼女は、市民農園に申し込み、気づけば50平米の畑で野菜を育てていました。さらに木の切り方まで学びに行くほどの熱中ぶりです。

仕事の外でも、Talkin’ About YOUTHのコミュニティ運営に関わり、マラニックでは20km走ってビールを飲み、オーケストラではシンバルを奏でる。いずれも“誰かに見せるため”ではなく、「ただそれが気になるから」という純度の高い動機から始まったものばかり。

それでも行動の裏には大きな試練があります。大学院生の頃、突然の血液がんの告知。卒業旅行も、就職も、一度は遠ざかった日々。しかし治療を乗り越え、社会に戻ってきたとき、彼女の胸にはひとつの確信が宿りました。

「死んでも悔いないくらい、やりたいことやってきたなって思えたんです。だから今は“アディショナルタイム”を生きてる感覚なんですよね」。

命に境界を感じた経験が、好奇心にさらに火をつけ、彼女を止まらない挑戦者へと変えていったのです。

好奇心を行動に変える“循環する人”の力

門田さんの語りから、忘れられない原体験がありました。大学時代、フィリピンのスラム街で子どもたちに音楽を教えるボランティアに参加したときのこと。

「絶対に目が死んでると思ってたんです。でも全然そんなことなくて、もうキラッキラで。帰国して日本の電車に乗ったら、みんなの目の方がよっぽど死んでるように見えて……。あの瞬間から“幸せって何なんだろう”って考えるようになりました」

この体験は、彼女の価値観を根底から揺さぶりました。

知らない価値観と出会ったとき、初めて自分の“当たり前”が浮き彫りになる。だからこそ人に興味を持ち、本を読むときも著者の背景を確かめ、人の言葉の奥にある“文脈“を知ろうとする。

そして今、彼女を突き動かしているのは「昔からあるものを残していく」という新たなテーマです。 伝統野菜の固定種を守り、地域とつながる畑コミュニティを育てたい。自然との循環の中にある安心感を、都会にいながら取り戻したい。

技術開発という未来を創る仕事をしながら、同時に過去から受け継がれた価値を守りたい。 その両方が、自分の人生にとって欠かせない軸になりつつある—— 門田さんの変化は、とても静かで、しかし確かに深いものでした。

個の探求が未来の共創を育てていく

「1年後は、土づくりの全貌が見えていたいです。地域の畑コミュニティも動き出していたら嬉しいですね」。 そう語る彼女の表情には、まっすぐ未来を見つめる光が宿っていました。

そしてもうひとつ、彼女が大事にしたいものがあります。

「やりたいことはやってみる。でも同時に、自分の声もちゃんと聴いてあげたい」

体を壊した経験が、彼女に“自分を大事にする”という新たな哲学を授けました。 やりたいことに全力で向かいながらも、自分の体と心のSOSを置き去りにしない。 このバランスこそが、門田さんがこれからの人生で育てていきたい生き方なのです。

最後に読者への示唆として、彼女の姿勢からひとつだけ伝えたいことがあります。

好奇心は、人生を循環させるエネルギーになる。 知らない世界へ一歩踏み出すとき、私たちの中には必ず小さな“発芽”が起きます。 その芽を育てるのは、他の誰でもない自分自身です。

門田友葵さんの物語は、そんな当たり前で、しかし忘れがちな真実を静かに思い出させてくれます。あなたが今、心のどこかで気になっている“何か”をそっと拾い上げてみる——その一歩が、人生を豊かに変えていくのかもしれません。