クリエイターが出会う、AIがひらく新しい創造の自由
創ることを諦めない人たちへ
「昔はアートも音楽も苦手で、絵も下手でした」。そう笑って話すのは、AIコンサルタントとして活動する齊藤俊介さんだ。だが大学時代、ギターを手に取り、仲間とバンドを組んだことで人生は大きく動き出した。ライブで曲を披露し、自分たちでCDを作り、ジャケットをデザインする。そのすべての過程に「創ることの楽しさ」があった。 もともと不得意だった分野で「褒められた」という小さな成功体験が、創作の原動力になったという。音楽を通して生まれた自信は、今も齊藤さんの中に確かに息づいている。
製造業15年、そしてAIの世界へ──もう一つの「創造」を求めて
製造業で15年のキャリアを積んだ齊藤さん。しかし、内側ではずっと別の情熱が燻っていた。「やりたいことは、実はクリエイティブな領域だったんです」。アートやデジタル、そしてテクノロジー。子どもの頃から心惹かれてきた世界が、AIの登場によって一気に身近になった。 「AIが出てきて、自分の中でいろいろできるんじゃないかってワクワクしました」。その感覚を確かめるように、彼は副業としてAIコンサルタントを始める。製造業の知識とAIのスキルを組み合わせ、ビジネスとクリエイティブの両方を理解する立場から新しい価値を生み出そうとしている。 「製造業はAIが入りにくい領域。でも、僕はその“両方”をわかるんです」。これまでの経験が、思いもよらない形で武器に変わった。
齊藤俊介さんが示す「教える×創る」新時代のモデル
AIコンサルタントとして活動する中で、齊藤さんが重視しているのは“教える”ことだけではない。「相手の悩みを聞いて、ソリューションを一緒に考えるのが好きなんです」。その姿勢は、製造業で培った中間管理職的なバランス感覚にも通じている。 さらに、AIの可能性を活かした“協業”にも強い関心を寄せている。「AIはアーティストの時間を救える」と彼は語る。絵を描くにも、音楽を作るにも、膨大な時間がかかる。だがAIを取り入れれば、創作のスピードも幅も広がる。「報われにくい業界にこそ、AIの力を届けたい」。 彼が目指しているのは、AIと人間の共創による“新しい創作”だ。AIツールを使いこなしながらも、クリエイターの個性を活かす。齊藤さんの中では、デジタルとアナログ、効率と情熱が矛盾することなく共存している。
「好きなことで生きる」を現実に──AIが支える新しい自由の形
「将来的には、会社員から事業側に移っていきたい」と齊藤さんは語る。目指すのは、自分の好きな時間に、好きなことで価値を生み出す生き方だ。AIはそのための“ツール”であり、“きっかけ”でもある。 一方で、彼はAIを万能の存在とは捉えていない。動画や音楽の世界では、まだ人間の感性に敵わない部分があるという。「AIは素材を生むけど、最終的に仕上げるのは人の手。だからこそ面白い」。 アーティストやクリエイターと協業し、AIと人間が共に作品を創り上げる未来。その先に、齊藤さんが思い描く“自由に創り、自由に生きる”世界がある。彼の挑戦はまだ始まったばかりだ。



