クリエイターに贈る、ユーザー起点のブランドづくり
ユーザーを思うクリエーターは、立派なつくり手
鈴木コウスケさんは、「デザインとは、使う人の視点に立つこと」だと語ります。 その姿勢は、幼少期に祖父から絵を教わった経験にまで遡ります。戦後の時代に意匠家として働いていた祖父は、ものづくりの丁寧さを体現する人でした。鈴木さんは、その仕事の記憶とともに「形をつくること」への興味を自然に育てていきました。
高校時代は理系の進学校に進みましたが、進路を考える中で「自分がワクワクしない」と気づいたそうです。「他人が決めた正解ではなく、自分の感覚で進みたい」と思い、美大への道を選びました。そこから、鈴木さんの“ユーザーを思うデザイン”の原点が形づくられていったのです。
クリエイターのまなざしと、ユーザー起点のデザイン背景
大学ではインテリアを専攻し、商業施設の空間設計を経験されました。 しかし、数年で取り壊される前提のデザインに「どこか納得できなかった」と鈴木さんは振り返ります。 「せっかく考えて作っても、数年後にはなくなる。もっと長く、使う人に寄り添うものをつくりたいと思ったんです」と話します。
そこから家具やプロダクトの世界へ進み、輸入家具商社で素材や構造を学ばれました。デンマークの巨匠デザイナーの哲学にも影響を受け、長く使われることを前提にした“時間のデザイン”を意識するようになったといいます。 「専門分野を突き詰めすぎると、かえって使いにくくなる。だから僕はあえて“詳しくなりすぎない”ようにしています」と鈴木さん。 この柔らかな姿勢が、彼のデザインを「プロの視点と生活者の視点の間」に立たせています。
鈴木コウスケさんは「使いやすさを守る伴走デザイナー」
現在は独立デザイナーとして、プロダクト開発やブランディング案件を手がけている鈴木さん。 クライアントからの信頼は厚く、1時間のオンライン面談だけで年間数百万規模の契約を獲得したこともあります。 「僕は特別な営業をしているわけじゃないです。話す内容は、使う人のことをどう考えているか、その一点だけです」と鈴木さんは言います。
デザインの価値を“見た目”で終わらせない姿勢が、鈴木さんの特徴です。 「職人さんの方が詳しいことは多い。でも正しい作り方が、必ずしもユーザーにとって最適とは限らない」と語るように、専門家へのリスペクトとユーザーへの誠実さを両立させています。 鈴木さんの仕事は、デザインを“飾るもの”ではなく“つなぐもの”として機能させることにあります。 その意味で彼は、クライアントや職人、そしてユーザーを結ぶ「使いやすさを守る伴走者」といえるでしょう。
ユーザー起点から、共創するものづくりの未来へ
鈴木さんが今見据えているのは、自身のブランド立ち上げです。 まだアイテムもコンセプトも固まっていませんが、「使う人に喜ばれるものを、自分の言葉でつくりたい」という思いを語ります。 同時に、他の企業や専門家との協業にも積極的です。 「技術はあるけど活かし方がわからない人たちと、一緒に形を考えたいんです」と言います。
デザインを「社会に橋をかける行為」として広げていくその姿勢は、ものづくりの未来を共創の方向へ導いています。 鈴木さんの語る“ユーザー起点”とは、単に使いやすさの話ではありません。 それは、誰かの挑戦や思いをデザインの力で支えることです。 静かですが確かな情熱で、鈴木さんは今日も「人の手に届くもの」をデザインし続けています。